1月9日(月・祝)はマクロビランチのイベントを開催しました。
料理人は私の妹の平田佳子さんです。せっかく場所を作ったのですから、新しいことをしてみたいと思っていました。違うジャンルでありスパイス料理とも親和性のあるものをここで披露してもらい、お客さまに喜ばれ、私自身の学びにもなるようなものを探していました。意外と近くにいたものです。妹は私がカレーにのめり込んだ頃にマクロビの教室に通い始めまして、かれこれ10年近く勉強したり教室でアシスタントをしたりしてました。アシスタントは授業の準備で20人分くらいの出汁をとったり野菜を刻んだりするらしいので、大量調理も慣れていまして思ったよりスムーズに準備ができました。
今まで妹の料理を食べさせてもらうことはあったのですが、身内ですとこのような形のフルセットで食べるのは初めてでした。スパイス料理も同じですが、フルセットで食べないと作り手の本当の想いは伝わらないのではないでしょうか。バランスよく整ったプレートで玄米ご飯とお汁とトータルで完成したランチでした。流石ですね。
マクロビオテックとは、「玄米菜食を中心として、その土地でとれたものを、その旬に食べる」を基本にした日本発祥の食事法だそうです。南伊豆町で知り合った農家さんから玄米や野菜を仕入れ、砂糖を使わず、塩、味噌、醤油などのごく限られた調味料のみで素材の美味しさを引き出しす料理を作ってもらいました。
手前の車麩カツは車麩を一度煮て下味を付けてから揚げるので、ジュウシーな食感がお肉のようです。衣もカリッとしていて冷めてもベタっとしないのは肉のような肉汁や脂がないからでしょうか。その隣の金柑は塩だけで煮たものですが金柑の甘味が塩味で引き立っていました。煮汁も美味しいです。サラダは紫玉ねぎのドレッシングがかかって色鮮やかです。人参は出汁と塩だけで蒸し煮にしたもので、人参本来の味が引き出されていました。レンコンのきんぴらのレンコンは南伊豆では栽培していないのでこちらはお客さまから頂いた徳島産です。関東圏で流通しているのは茨城産が多く徳島のレンコンは私も初めてでしたが身がしまっていて美味しかったです。その隣の牛蒡には胡麻みそタレが、京芋にはネギみそタレがかかっていてそれぞれ野菜との相性も考えてあり美味しかったです。
最後はリンゴを蒸し煮にし、出てきた水分を水で溶いた葛でとろみをつけて一緒に頂くデザートを三年番茶と一緒に召し上がって頂きました。こちらもお砂糖は入っていません。これも皆さん驚かれていました。片栗粉でも代用できるけれど、マクロビ的にはジャガイモは体を冷やし葛は体を温めるので冬は葛が良いそうです。
マクロビもスパイス料理もこれしか食べないというものではないと思います。そういう方もいらっしゃいますが、そうなるとなかなか踏み込めなくなりますから、色々な食事の一つの種類としてとらえて、楽しみたいです。そんな気持ちでインド料理とはちがうお料理を紹介しました。私自身も勉強になりました。車麩カツを豆カレーにトッピングしたらベジタリアンの方に喜ばれそう、などとやはりカレーのことが頭の片隅に浮かびながらマクロビランチを頂きました。