チャレンジショップが終わった後、おっけいデイサービスで昼食を作る仕事を始めて半年が過ぎました。おっけいは、あかちゃんからおじいちゃんおばあちゃん、ハンディキャップのある子どもや大人いろいろな方々が利用されています。就労さんと呼ばれる方はここにお仕事に来ていて、畑仕事をしたり、アクリルたわしを編んだり、刺し子で布巾を作ったり、せっけんを作ったりしています。手仕事が得意なおばあちゃんは楽しそうに手伝ってます。介護保険で利用されているお年寄りの方々は、食事や入浴の時間以外は特にカリキュラムはなく、のんびりテレビを見たりお喋りしたりウトウト居眠りしたりまるで家にいるようにくつろいでおられます。

先日、おっけいの理事長に本を2冊お借りしました。おっけいの理念の多くがこちらの2冊に集約されているように感じました。「笑顔の大家族この指とーまれ」は富山型デイサービスを作られた看護師さんが書かれた本、「バリアブレイク」は障害を持つお子さんのお母さんが書かれた奮闘記です。著者の惣万佳代子さんと宮袋季美さんはともに富山県の福祉を民間から牽引されてきた方です。今でこそ厚労省も「地域共生社会の実現」を福祉政策の柱として掲げるようになりましたが、縦割り行政の中で、お2人が目指す福祉を実現していくために相当苦労されたことがうかがえます。富山型デイサービスは全国的にも注目されていますがなかなか浸透するのは難しいのでしょう。私が住んでいた川崎市麻生区にはなかったです。南伊豆でもここだけではないかと思われます。

私の無くなった父も介護保険のお世話になり、デイサービスを利用していました。家族はその間色々することがあり助かりましたが、本人はいつも行くのを嫌がっていました。要介護5の父は食事の楽しみもなく、切り絵や塗り絵も苦痛だったようでした。こちらにも要介護5の利用者さんはいらっしゃるのですが、他の人と同じ食事をミキサーにかけてお出ししています。見た目はイマイチですが味は美味しいです。春雨サラダもシナモンロールも水分を少し足してミキサーにかけるとあっという間に出来上がり。それぞれの味が楽しめて、よく召し上がってくださいます。父も最初の頃は介護食を頂いていましたが、すぐに食べなくなりました。色はきれいなのですが、なめてみると申し訳ないけれど悲しいくらいまずかったです。このやり方を知っていたらもともと食べることが好きな父でしたので、もっと生きる喜びを味わえたかと思います。

子どもに迷惑はかけたくないから介護が必要になったら施設かなぁって誰もが思うときがあるのではないでしょうか。私も思います。おっけいのような場所があれば幸せな老後を過ごせそうな気がします。

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